2015年10月4日日曜日

こわかったね

ことの起こりは昨日の深夜2時頃のこと。寝ていたニヤがいきなり飛び起きて、窓のそばに飛んで行きました。どうした?トイレ?と思ったら窓の外に向かって吠え始めて「こりゃいかん!」とニヤの捕獲に飛んで行ったら、窓の外(つまり、うちの庭で)「キィーキキキーッキィーッ」と小動物の必死の声が。

「え?何?ネズミ?何かに襲われた?」とドキドキしたものの、外に出るのも怖いのでニヤを抱いてベッドに戻りました。

朝起きて「昨夜のは何だったのかなあ。庭に狩りの跡とか残ってるといやだなあ。」と思いながらニヤをトイレに連れ出すと、玄関の脇の植木鉢がガサガサッと揺れて何かが動きました。

「ヒィーッ」とびっくりしたけれど、そちらを見たらまだ若くて小さいリスでした。ニヤがまた大騒ぎするといけないので、急いでニヤを中に入れてカメラを持って、もう一度。

植木鉢の植え込みの影に隠れていた若リスちゃんはビックリしたのか、壁に登って行きました。
「いや。来ないで。怖いの。」

何にもしないよ。でもね、そこ人も犬も出入りするし、そんな所に居るよりも樹の上に行った方が安全だと思うよ。

ちっとも別の場所に行こうとしないで、壁に張り付いていたので動画も撮ってみました。

だけど、この若リスちゃんちょっと様子が変。植木鉢と壁の間でジーッと息を殺してうずくまっている感じ。でも壁を登る時の動きは俊敏だし、怪我をしている感じでもない。

あ、もしかして昨夜キィーッと言ってたのは君の兄弟だったの?
多分大きなフクロウにでも巣が襲われて、この子は命からがら逃げ出したのかな。

「ほら、こっちにおいで」と軽く壁を叩いて、高い樹のある所に追い立てました。ごめんよ、怖い思いしたのに。でもそっちの方が良いと思うんだよ。

若リスちゃんはちょっとビクビクした感じだったけれど、素早い動きで樹の上に登って行きました。よかった。

それから2時間ほどして、ちょっと様子を見に来たら、さっきと同じ場所でまだジーッとしてる!
「どこにも行きたくない。」

うーん、あの子は大丈夫だろうか。心配しても何もできないんだけど。

それからさらに2時間ほどして、もう一度見てみたら、若リスちゃんは相変わらず同じ所でジッとしていたけれど(こんなこと今まで見たことないし、野生動物としてはかなり危険なことだと思います。)さっきとは大きな変化が!


母ちゃんらしきリスがその子の側で呼びかけてたんですよ!
「うちの子にちょっかい出したら許さないよ。」

ゴン子母ちゃん、それは誤解です。私は町内でも一二を争うリスフレンドリーな住人ですよ。


このゴン子のお乳、つい最近まで授乳していたという感じだったし、樹の上でジッとしている若リスちゃんに向かって声をかけたら、二匹いっしょにどこか別のところに移動していったので、きっと本当に親子だったんだと思います。

若リスはゴン子母ちゃんの3分の2位の大きさ。このゴン子ちゃんもちょっと小柄だったので、若リスちゃんは大きなゴンゾウリスの半分くらいのサイズ。
「昨夜はいろいろたいへんだったのよ。」

うん、そうみたいだね。せっかくそこまで育てた子リスだもの、無事に巣立ってくれるといいね。

実はこの後、裏庭でリスの尻尾の一部が落ちているのを発見したんですよ。ヒーッと思うと同時に「ああ、やっぱり」と悲しくなったのですが、よく見たら尻尾ではなくて尻尾の毛だけで、周囲に血液なども全く落ちていなかったので、多分尻尾を掴まれて一部分の毛が丸ごとブチッと抜けただけで危機一髪助かったんだろうと推測。

最初はあの若リスの兄弟がフクロウにさらわれたのかなと思っていたのですが、多分襲われたのはあの若リスだったのだと思います。キィーッという声がして移動して行ったのも朝隠れていた方向と同じだったし。動画に映っている尻尾を見ると先っちょがとがった感じになっているので、きっとこの部分の毛を引っこ抜かれたようです。普通ゴンゾウリスの尻尾の先っちょは毛がまっすぐ揃っていて、とがった筆みたいな形にはなっていないんですよ。
先月保護した赤ちゃんリスのゴンちゃんの尻尾でさえ、先っちょまでしっかり毛が揃っていましたから。

尻尾の一部を見つけた時は、念のために庭中を見回って他の部分が落ちたりしていないか探してみたのですが、何も見つからなかったので大きく安堵のため息。
よかった〜。フクロウさんだって食べていかないといけないのはわかってるんだけど、うちの庭のリスたちには無事でいて欲しいのでね。

若リスちゃん、こわかったね。でも野生動物だから、死ぬほど怖い思いをしても、その場でジッと動けなくなってると本当に死んじゃうからね。今はお母ちゃんがいるけど、もうすぐ巣立ち。たくましく図々しく太々しく育つんだよ。